投稿日:2020年8月2日
近頃5Gが話題になり、いくつかの業者が5Gに対応した端末を出し始めました。今回はSHARPが発売したAQUOS R5Gのカメラ、ディスプレイ、スピーカー、CPU、グラフィックなど細かい性能について現役エンジニアが率直・正直に細かくレビューしていきます。
2020年3月発売のAQUOS R5Gについてエンジニアが細かく正直にレビューしていきます。
中国・韓国の製品と比べてしまってはあれなので、ここでは日本企業のスマホの値段と比べてみます。
OPPO FIND X2 Pro | XPERIA 1Ⅱ | AQUOS R5G | Galaxy S20 5G |
---|---|---|---|
92,040円 | 133,600円 | 106,870円 | 117,480円 |
中国・韓国のメーカーと比べるとやはり高いですね。
日本のメーカーの中では安い方なので、もしもこれで質が良いのであれば購入検討してもいいでしょう。
本体は丸みを帯びていて手に馴染む様になっています。背面の光沢もシックな色味で、光を反射して虹色に光り、高級感があります。
気になるのはホームボタンです。ホームボタンは大きなディスプレイに馴染むような楕円形でデザイン的には非常におしゃれな見た目になっているのですが...
これ...、
非常に押しづらいです!!
このスマホは6.5インチと中々のサイズになっているのですが、ホームボタンがディスプレイの下枠に寄り添う様に設置されているために、ボタンを押す際非常に不安定になってしまいます...。
ここではスペックについてレビューしていきます!まずはCPUについてみていきましょう。
CPU | クラスター1 | クラスター2 | クラスター3 | |
---|---|---|---|---|
AQUOS R5G | ARM Qualcomm | 4Cores@1.80GHz | 3Cores@2.42GHtz | 1Core@2.84GHtz |
Google Pixel 2L | Qualcom Snapdragon 835 | 4Cores@1.90GHz | 4Cores@2.46GHz |
こう見るとCPUのスペックはかなり良いんじゃないでしょうか?実際にベンチマークを走らせてみましょう。
SingleCore | MultiCore | |
---|---|---|
AQUOS R5G | 917 | 3325 |
Google Pixel 2 XL | 362 | 1562 |
個人的に最も注目するべき点はカメラでしょう。
通常のカメラの使用には困らない
が備えられています。
また自動でぼかしを入れたり、フォーカスしたりするために被写体との距離を測定するカメラも搭載されています。
自分はカメラについては素人ですが、これ一つで色々なタイプの写真を取れるのは中々楽しいです。
公式によると『10億色の表現力を持つ高精細、高輝度ディスプレイ!!』とのことでした。ということで使って見たのですが、
確かにすごく繊細、解像度の高い画像・動画を見るときには細かいところまで綺麗に映してくれます。
しかし、普段使用するようなゲームアプリや動画アプリなどの動画はすごく汚く感じました。これはそれらのアプリがこの端末の様な高精細、高輝度ディスプレイのAndroid端末を想定していないためではないでしょうか?
しかし、考えてみれば
そもそもAndroid端末でそこまで高解像度の画像を表示することなんてどのくらいあるのかという話なわけで...。
今ここに力を入れる必要があったのだろうかと思ってしまいます。
この端末5G対応です。それ以上言うことは特にないです。
個人的にすごく致命的な点から。
この端末、Google meetなどのビデオ通話アプリを2,30分使用していると、
『端末の温度が高くなっています』
というアラートが出た後、画面が完全にフリーズしますwww。
ウッソだろおい!!!
スマホは高温になると端末の機能が自動的に制限されるようになっているのが普通なのですが、
どうやらR5Gは『超高精細カメラ』『超高画質ディスプレイ』『低品質な排熱機構』により温度が上がりやすく、それによってよりにもよって端末のカメラの機能が制限されてしまうようです(笑)。
開発者が端末のカメラを長時間起動させたままにするテストをしていないはずがないので、
間違いなく確信犯です。
使用する上で問題があることを承知した上で、表記上のスペックを良くしたかったのでしょう…。
中国メーカーの端末でよくあるパターンなのですが、日本で有数の大企業のSHARPさんがこの手を使ったことに正直ショック…。
この端末、ホームボタンが物理ボタンではなく感圧式ボタンになっているのですが、この精度が非常に悪いです。普通に使う時でも感度は悪いのですが、特に熱を持った時の感度は最悪なものになっていて、いつもの感じでボタンを押してもほとんど反応しません。この端末は何故か普通にブラウザで軽いWebページを見ただけでもかなりの温度になるため、ホームボタンの仕様と相まって結構ストレスを感じることに。
何故このような仕様にしたのか...。
これは他の方のレビュー記事でも大概言っていることなのですが、スピーカーの音質は非常に悪いと思います。自分は5年前のXperiaZ5も持っているのですがそれと比べても圧倒的にこちらのほうが音質が悪いです。
自分は基本的に音質にこだわらないタイプですが、それでも気になるレベルです。
まずそもそもスマホの温度についての基礎ですが、おおまかに以下のように考えると良いそうです(あくまで大まかな温度で記してます)。
20~29℃ | 問題なく動作しバッテリーの寿命にも影響なし |
---|---|
30~39℃ | 動作には問題ないがバッテリーの寿命に影響あり |
40~49℃ | 動作を制限して温度を下げる機能が動くためカクついたりする。一部端末はバッテリーへの給電を制限。バッテリーの寿命にも影響あり。 |
50℃以上 | カメラなどの一部機能は使用できない。 |
基本的に45℃あたりでスマホ側の機能で動作を制限して温度を下げようとするため、それ以上の温度になることはほとんどないようです。それ以上の温度になるのは暑い部屋や直射日光など外部の温度の影響をうけて、というパターンが多そうですね。
ここからAQUOS R5Gを動かした際の温度についてです。ちなみにケースは外して使用しました。
まずはYouTubeで480pで動画を視聴してみました。
CPU温度 | バッテリー温度 | |
---|---|---|
通常時 | 34℃ | 29℃ |
視聴5分 | 40℃ | 36℃ |
視聴10分 | 46℃ | 39℃ |
視聴30分 | 48℃ | 39℃ |
視聴60分 | 47℃ | 39℃ |
みての通り視聴を開始してすぐかなりの温度になっています。動画視聴でここまで上がるのは非常に気になります。
基本的なスペックは優秀かも知れませんが、問題が多すぎますね。この端末の様な高スペックな端末を購入する方の多くが、スマホを酷使する方だと思うのですが、発熱などの問題で結局スペック通りの動作はあまりしてくれないのではないでしょうか?
また高品質のディスプレイなどの良い部分も、現状その高解像度を活かせるアプリ、サイトが大分少ないという悲しい現状です。
中国・韓国等の企業より日本企業を応援したい人間なのですが、流石にこの端末については擁護できませんね...。
SHARPさん、もう少し頑張ってほしいです!!
pixelがおすすめですよ